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音楽生成AI著作権訴訟(Suno・Udio vs レコード会社・GEMA): 一部レーベルの和解・提携とUMG・Sonyの継続訴訟、独地裁判決の争点・経緯

進行中/ 最終確認

米国では大手レーベル(RIAA)による提訴後、ワーナー(WMG)の双方和解やユニバーサル(UMG)とUdioの和解・提携が進んだ一方、UMGとソニー(Sony Music)はSunoに対する訴訟を継続し、SonyはUdio訴訟も継続している。ドイツでは2026年7月、ミュンヘン地裁が GEMA の訴えを認め Suno に楽曲利用の差止めと利用の規模の開示を命じる判決(未確定)を下した。

発端
全米レコード協会(RIAA)が、Sony Music、UMG、Warner Records などを代表し、音源の無断学習…
現在の状態
進行中最終確認
経緯
9件最新の動き

訴訟の概要(2026-10-11 確認)

音楽生成AIの大手である Suno と Udio に対し、米欧の音楽業界が著作権侵害を理由に法的措置をとっています。米国では大手レコード会社による訴訟から一部和解・提携への分流が進む一方、ドイツでは司法による差止め判決が出されるなど、国内外で判断が分かれています。

1. 米国: 大手レーベル(RIAA)vs Suno / Udio

  • 提訴日: 2024年6月24日(AP News 報道)
  • 原告: 全米レコード協会(RIAA)が代表する大手レコード会社群(Universal Music Group Recordings、Sony Music Entertainment、Warner Records など)。AP News 報道
  • 被告: Suno, Inc.(マサチューセッツ連邦地裁、事件番号: 1:24-cv-11611)および Uncharted Labs, Inc.(サービス名: Udio、ニューヨーク南部連邦地裁、事件番号: 1:24-cv-04777)。AI Lawsuit Tracker (Suno)、AI Lawsuit Tracker
  • 主な主張: 数十年分に及ぶ商用録音物を許諾なく大量スクレイピング・複製してAIモデルの訓練に用いた。プロンプト次第で既存の有名曲やボーカルスタイルに酷似した楽曲を出力可能であり、故意の著作権侵害にあたる。AP News 報道
  • 請求内容: 将来にわたる無断利用の差止め命令、および故意の侵害1作品につき最大15万ドルの法定損害賠償。Music Business Worldwide
  • 現在の状況: 一部レーベル(WMG、ならびにUdioと和解したUMG)との和解・提携が成立した一方、Suno に対する UMG および Sony Music の訴訟、ならびに Udio に対する Sony Music の訴訟は継続中。AI Lawsuit Tracker

2. ドイツ: GEMA vs Suno(ミュンヘン地裁)

  • 事件名: GEMA v. Suno Inc.(事件番号: 42 O 763/25、beck-aktuell)
  • 裁判所: ドイツ・ミュンヘン地方裁判所第1(Landgericht München I、第42民事部、beck-aktuell)
  • 原告: GEMA(ドイツ音楽著作権管理団体、GEMA 公式発表)
  • 被告: Suno Inc.
  • 判決日: 2026年7月31日(第一審判決)
  • 判決内容: GEMA側の訴えを概ね認容。Helene Fischer『Atemlos durch die Nacht』や Boney M.『Daddy Cool』『Rasputin』など対象6曲について著作権侵害を認定。Suno に対し、対象楽曲を用いたAI学習・モデル内保存・公衆送信の差止めと、損害賠償額算定のための利用の規模の情報開示を命令。GEMA 公式発表、解説 Bird & Bird
  • 現在の状況: 第一審判決であり未確定。Suno 側は不服として控訴の意向を表明しています。
  • ※なお、GEMAが2025年11月に勝訴判決を得た OpenAI 訴訟(ChatGPT による歌詞の無断学習・表示)とは別の訴訟です。

和解と提携の進展(米国)

米国の訴訟では、全面対決から正規ライセンス提携への移行が一部で進んでいます。

  • UMG と Udio の和解(2025-10-30): Universal Music Group(UMG)と Udio が著作権侵害訴訟で和解。正規ライセンスを受けた音楽データに基づく商用音楽生成・配信プラットフォームの共同開発で合意しました。Bloomberg Law 報道、News Tribune 報道
  • WMG と Udio の和解(2025-11-19): Warner Music Group(WMG)が Udio との間で和解し、ライセンス提携を締結。AI Lawsuit Tracker
  • WMG と Suno の和解(2025-11-25): Warner Music Group(WMG)が Suno との訴訟で和解し、公式パートナーシップを締結。アーティストが任意で声や楽曲を提供できるオプトイン方式の商用モデル開発に合意しました。AI Lawsuit Tracker
  • Suno 訴訟(UMG・Sony Music)および Udio 訴訟(Sony Music)の継続: 和解したのは WMG(Suno・Udio 双方案件)および UMG(Udio 案件のみ)です。UMG と Sony Music は Suno に対する著作権侵害訴訟を継続しており、Sony Music は Udio に対する訴訟も継続しています。AI Lawsuit Tracker
  • 2026年の係争激化と第2訴訟: UMG と Sony Music は Suno に対し、2026年8月に DMCA §1201(a) 請求の追加を認められた後、9月18日に約6万件の追加録音を対象とする2件目の訴訟を提起。また Sony Music は Udio に対しても2026年7月に2件目の訴訟を提起しています。AI Lawsuit Tracker、Music Business Worldwide

経緯新しい順 ・ 9件

  1. 最新
    UMG Recordings および Sony Music 等が、マサチューセッツ連邦地裁において Suno に対する2件目の著作権侵害訴訟を提起(UMG v. Suno II、対象楽曲60,202件)。AI Lawsuit Tracker、報道 Music Business Worldwide
  2. マサチューセッツ連邦地裁が、UMG・Sony 等による Suno 訴訟(1:24-cv-11611)において、DMCA §1201(a)(技術的保護手段の回避)請求の追加を許可。一方、約6.1万件の追加録音を既存訴訟に含める申し立ては却下。AI Lawsuit Tracker (Suno)
  3. ドイツ・ミュンヘン地方裁判所第1(Landgericht München I)が GEMA 対 Suno 訴訟で判決。6曲の著作権侵害を認め、楽曲利用の差止めおよび損害賠償算定のための利用の規模の情報開示を命令(判決は未確定、Suno は控訴の意向)。GEMA 公式発表、解説 Bird & Bird、beck-aktuell
  4. Sony Music Entertainment が、ニューヨーク南部連邦地裁において Udio に対する2件目の著作権侵害訴訟を提起(事件番号: 1:26-cv-06120)。AI Lawsuit Tracker
  5. Warner Music Group(WMG)が Suno との間で和解とパートナーシップ締結を発表。許諾データに基づくモデル構築とアーティストのオプトイン導入で合意。AI Lawsuit Tracker
  6. Warner Music Group(WMG)が Udio との間で和解とライセンス提携を締結。AI Lawsuit Tracker
  7. Universal Music Group(UMG)と Udio が訴訟の和解と戦略的提携を発表。正規ライセンスに基づくAI音楽プラットフォームの共同展開で合意。Bloomberg Law 報道、News Tribune 報道
  8. Suno および Udio が米連邦地裁に答弁書を提出。AIの学習は既存音楽から音楽の構造やスタイルを学ぶ「フェアユース(公正利用)」にあたり、出力は新規のオリジナル楽曲であると反論。Music Business Worldwide 報道
古い動きを見る(1件)
  1. 全米レコード協会(RIAA)が、Sony Music、UMG、Warner Records などを代表し、音源の無断学習を理由に Suno(マサチューセッツ連邦地裁)と Udio(ニューヨーク南部連邦地裁)をそれぞれ提訴。AP News 報道、AI Lawsuit Tracker

争点

  • 学習データの無断利用とフェアユース(米国): 市販の録音物をAIモデルの訓練用に大量複製する行為が、米国著作権法上の「公正利用(フェアユース・変容的利用)」にあたるか。
  • モデル内部の「暗記(Memorization)」と複製の保持: モデルパラメータ内に既存楽曲が技術的に再現可能な形で保持されている場合、モデルそのものが著作物の複製物と評価されるか(ミュンヘン地裁が認定)。
  • 出力楽曲の実質的類似性と市場代替性: 有名アーティストの作風やボーカルを模倣した楽曲が生成・配信されることで、人間のクリエイターの市場やライセンス収益を直接奪うか。
  • 国外で行われたAI学習への準拠法とフェアユース: ミュンヘン地裁は、米国内で行われたAI学習について米国著作権法を適用した上で、フェアユースの抗弁を退けた。
  • 対決からライセンス経済への転換: 司法判断による完全排除を求める方針と、権利者へのオプトイン・収益分配を条件とした正規ライセンス提携への方針分岐。

反応各方面の主な反応(要約)。出典は各行のリンク先を参照

レコード会社・権利者側(RIAA・GEMA)人間のアーティストが人生をかけて築いた音源や楽曲に無断でただ乗りして商用AIモデルを作ることは許されず、適切な許諾と対価の支払いが不可欠であると主張しています。

AI開発企業側(Suno・Udio)人間の音楽家が過去の音楽を聴いて作曲手法を学ぶのと同様、AIの学習は変容的利用でありフェアユースであると主張。一方で大手レーベルとの提携を通じて合法的エコシステムの構築も模索しています。

これから見る点

  • 米国継続訴訟(UMG・Sony vs Suno、Sony vs Udio)の司法判断: 和解していない UMG および Sony Music による Suno 訴訟、ならびに Sony Music による Udio 訴訟において、米連邦地裁が音楽生成AIの学習行為に対してフェアユースを認めるか。
  • ドイツ訴訟の控訴審の動向: 第一審(ミュンヘン地裁)が示した「暗記」理論やフェアユースの否定が、上訴審でも維持されるか。
  • ライセンス型AI音楽サービスの商業展開: WMGやUMGが主導するオプトイン型の公式提携プラットフォームが、アーティストへの正当な対価還元とユーザー体験を両立できるか。

掘り下げ

誰に影響するか: 音楽クリエイター、作曲家、作詞家、レコード会社、生成AI開発企業、AI楽曲を利用・配信する一般ユーザーやコンテンツ制作者。

他の生成AI著作権訴訟との違い

  • 画像生成AI(Stability AI 等)や文章生成AI(OpenAI 等)の訴訟では学習データセットの開示やフェアユースの成否で全面対決が続く一方、音楽分野では一部の大手レコード会社(WMG や、Udio と和解した UMG)が早期に和解・提携へ転じる一方、UMG や Sony Music が訴訟を継続して司法判断を迫るという「分流」が生じている点に特徴があります。

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