プリンシプル・コード 届出: 一覧は0件、提出先と公表する項目
生成AI事業者向けのプリンシプル・コードの届出が2026年10月26日に始まった。内閣府の届出事業者一覧は初日0件で、表は事業者番号・事業者名・アドレス・届出日・備考の5列。提出先はメール(i.ip-contents.m6m@cao.go.jp)、件名は「プリンシプル・コード」に関する届出、様式は5項目でPDF提出。一覧に載るのは事業者名とアドレスだけで、先に自社サイトで受入れ表明と実施事項を公表しておく必要がある。公表する内容はコード本文の原則1が定める3分類と知財保護の9項目。
- 発端
- AI時代の知的財産権検討会(第13回)で、パブリックコメントを踏まえた修正版(案)が示される
- 現在の状態
- 進行中最終確認
- 次の予定
- なし確定している今後の予定はありません
- 経緯
- 5件最新の動き
現時点の結論(2026-10-26 時点)
生成AI事業者向けの「プリンシプル・コード」の届出が、2026年10月26日に始まりました。内閣府の届出事業者一覧は初日(2026-10-26 04:25 時点)で0件です。提出はメールで、宛先は i.ip-contents.m6m@cao.go.jp、件名は「プリンシプル・コード」に関する届出、様式は5項目を記入してPDFにするだけです。ただし一覧に載るのは事業者名とサイトのアドレスだけで、載るには先に自社サイトで「受け入れる旨」と「各原則の実施事項」を公表しておく必要があります。自社サイトに書く中身は、コード本文の原則1が定める3分類(使用モデル・学習データ・アカウンタビリティ)と、知財保護のための9項目です。
- 前回確認からの変化: このページは今回の新規作成です。同じ制度は AIクローラーを止める方法 の1節でも扱っていましたが、robots.txt の書き方の一部としてしか読めず、届出そのものを追う場所がありませんでした。内容を分離し、本ページを届出の本体にしました。届出事業者一覧は 2026-10-26 00:20 と 04:25 の2回取得し、どちらも0件(表の行は用意されているが中身は空)です。
- 確定していること: ①受付開始は 2026-10-26(月)②提出はPDF形式のメール、宛先は i.ip-contents.m6m@cao.go.jp(公式ページは「@」を「※」と表示)③件名は「プリンシプル・コード」に関する届出 ④様式の記入項目は5つ ⑤一覧で公表されるのは事業者名とアドレスだけで、代表者名・担当者名・連絡先は公表されない ⑥一覧の列は事業者番号・事業者名・アドレス・届出日・備考の5つ ⑦事務局は届出内容を審査せず、第三者からの照会にも回答しない ⑧コードは「法的拘束力を有する規範ではない」と本文に明記されている。
- 未確定なこと: 一覧の更新頻度と、届出から掲載までの実際の日数(「掲載までお時間をいただく場合があります」とだけ注記)。第1号がいつ出るか。事務局が作成を予定しているというFAQの公表時期。原則2・原則3の開示請求に使う統一フォームの有無(コード本文は様式を定めていない)。
- 読者への実際の影響: 自社がAIを公衆に提供しているなら、①対象かどうかを「公衆に実質的に提供したか」で判定する ②受入れを決めたら、先にコーポレートサイトへ受入れ表明と実施事項を公表する ③様式5項目をPDFにしてメールで送る ④送信控えを保存し、原則として毎年見直す、の順です。一覧に載ることは「審査に通った」意味ではありません。事務局は中身を確認しないため、記載の正しさは自社が説明する責任を負います。
- 次に注目する日付・出来事: 届出事業者一覧の第1号の掲載、一覧の更新頻度の判明、原則2・原則3の要求様式の公表、コード本文の改定(本文は「必要があると認めるときは改定を含めた対応を行う」としています)。
- 一次資料と最終確認日時: 内閣府「プリンシプル・コードの策定及び届出」特設ページ、届出事業者一覧、届出様式(PDF・Word)、コード本文(日本語版PDF)、概要開示対象事項 具体例(PDF)。最終確認 2026-10-26 04:25
届出事業者一覧はいま何件か(2026-10-26 04:25 時点で0件)
- 一覧ページは内閣府の特設サイト内にあります。表の見出しは事業者番号・事業者名・当該事業者が公表したコーポレートサイト等のアドレス・届出日・備考の5列で、列の幅は 10%・30%・40%・10%・10% です。内閣府「届出事業者一覧」
- 2026-10-26 04:25 時点で、行は5つ用意されているが中身は空(0件)です。受付開始から約4時間なので、まだ誰も出していないか、出していても掲載準備中ということになります。ページには「届出後、HPへの掲載準備等の関係で掲載までお時間をいただく場合があります」と注記されています。
- 備考欄の使い方は決まっています。事業を終了した場合、事業者名・アドレスの変更の申し出があった場合に、その旨がここに書かれます。つまり備考が埋まっている事業者は、過去に一覧に載ったことがある事業者です。
- 問い合わせ先は内閣府知的財産戦略推進事務局(東京都千代田区永田町1-6-1、TEL 03-3581-0324)です。
- 一覧に載る条件は、届出を送っただけでは足りません。事務局が「その事業者が現に事業を行っていること」と「コーポレートサイト等に受入れに係る事項が公表されていること」を確認した後に掲載されます。順序が決まっているので、サイトでの公表が先です。
届出の出し方(今日やる場合の順序)
1. コーポレートサイト等で公表する。書くのは「各原則を受け入れる旨(受入れ表明)」「各原則の実施事項」「実施しない原則がある場合はその理由」の3点です。ここが空のまま届出を送っても、一覧には載りません。
2. 様式を取得する。特設ページから届出様式のPDFまたはWordを取ります。届出様式(PDF)
3. 5項目を記入する。①事業者名 ②事業者の代表者名 ③本件受入れに係る担当者の氏名・職 ④当該担当者の連絡先(電話番号・メールアドレス)⑤当該事業者が公表したコーポレートサイト等のアドレス(複数ある場合はすべて)。公表されるのは①と⑤だけです。
4. PDF形式にする。案内はPDF形式での提出です。Wordのままでは受け付けられない想定にしておくのが安全です。
5. メールで送る。宛先は i.ip-contents.m6m@cao.go.jp、件名は「プリンシプル・コード」に関する届出です。公式ページは迷惑メール対策で「@」を「※」と表示しているので、送るときは半角の「@」に直します。
6. 控えを保存する。送信メールとPDFを保存します。事務局は審査をせず照会にも回答しないため、後から「何を出したか」を説明できるのは自社だけです。
7. 毎年見直す。各事項について原則として毎年、見直し・更新を行い、更新した場合はその旨も公表します。
- 自社サイトに開示場所を作れない場合: 開示資料を内閣府のサイト上に掲載してもらう扱いがあり、その資料をPDFにして同じ宛先へ送ります。自社サイトを持たない小規模事業者向けの逃げ道ですが、掲載先が内閣府になる点は事前に押さえておく必要があります。
- 書面提出・オンラインフォーム: 2026-10-26 時点で案内を確認できていません(メールのみ)。
自社サイトに何を書くか: 概要開示対象事項
コード本文の原則1は、コーポレートサイト等で「概要開示対象事項」を権利者と利用者を含むすべての者が閲覧可能な状態にすることを求めています。中身は次の3分類です。丸写しではなく、自社のサービスに当てはめて書きます。
- 使用モデル関係(5項目): ①名称(識別子・バージョン等)②公開日を含む来歴(過去のバージョンや修正履歴)③アーキテクチャ・設計仕様(第三者とのライセンス契約の状況、必要なハードウェア・ソフトウェア)④利用規定(想定する用途、制限・禁止する用途)⑤モデルのトレーニングプロセスの内容(学習の方法)
- 学習データ関係(2項目): ⑥学習・検証に使ったデータに関すること(データの種類、ウェブクロール、第三者から取得した非公開データセット、公開データセット、その他の手段で集めたデータ、合成データの利用の有無と目的)⑦クローラに関すること(目的、データ収集期間、名称・識別子、第三者クローラを使っている場合はその名称・識別子)
- アカウンタビリティ関係(1項目): ⑧開発・提供・利用の間に行った意思決定について、技術的に可能かつ合理的な範囲で追跡・遡及できる状態の内容(トレーサビリティ、責任者の明示、責任の分配、文書化など)
続けて、知的財産権保護のための措置として、次の9項目の対応状況を開示します。
1. 知的財産権保護のための原則を策定し、責任体制を明確にし、年1回以上見直して要旨を外部に公表すること
2. 開発・学習を含むデータの活用で、他者の知的財産権を侵害しないこと
3. ペイウォール等のアクセス制限や robots.txt 等の機械可読な指示に従うクローラを採用すること。権利者のために、ユーザーエージェントごとに措置を公開し、変更時には通知すること
4. 学習したログを一定期間保持していること(本文は総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」19頁の検証可能性の記述を参照)
5. 海賊版サイト等へのクロール回避に取り組むこと
6. 知的財産権を侵害する生成物の生成を防ぐ技術的措置を可能な限り講ずること
7. 電子透かし、C2PA その他の出所・来歴を証明する技術的措置を可能な限り講ずること
8. 生成物が他者の権利を侵害すると考えられる場合は利用すべきでない旨を、利用者に周知すること
9. 権利者の救済のため、適切な窓口を整備し、申出の要件を可能な限り明確にし、対応記録を保存すること
- 書けない項目は「エクスプレイン」で逃げられる: 概要開示対象事項の一部を開示できない場合は、その理由を示すことで足ります。営業秘密やセキュリティに関わる情報の強制的な開示は求めていません。ただし「契約や利用規約でコードの適用を外している」と書くだけではエクスプレインとして不十分で、なぜ外しているかの説明が必要です。
- 書き方は具体例に寄せられる: 内閣府は「概要開示対象事項 具体例」を公表しています。たとえばモデル名は「○○ Ver2.1」、来歴は「○年○月○日リリース、△年△月△日△△機能を修正」、学習データは「ウェブクロール: 実施/非公開データセット: ライセンス契約により取得/合成データ: 利用の有無と目的」といった粒度です。概要開示対象事項 具体例(PDF)
対象になる事業者・ならない事業者
- 対象は「生成AI開発者」と「生成AI提供者」です。開発者は「生成AIシステムを構築する役割を担う者で、そのシステムを公衆(不特定の者または特定多数の者)に実質的に提供した者」、提供者は「生成AIシステムをアプリ・製品・既存システム・ビジネスプロセスに組み込んだサービスを公衆に提供した者」を指します。法人・個人の別は問いません。
- 原則として対象外になる類型: ①モデル開発の一部工程(データ収集・前処理・学習・検証など)だけを委託で引き受けて納入する者 ②提供元から受けたデータだけを使い、そのデータ提供者または指定された限られた範囲にだけ提供する者(受けた企業自身も)③グループ内のデータだけを使い、グループ内だけで使うシステム ④第三者の権利を侵害する生成物が生じるおそれが著しく低いシステム(既存著作物の創作的表現を直接感得できない生成物や、統計的データ・推論結果にとどまる生成物が極めて高い頻度で生成されるもの)。
- 「原則として」が付いている点が重要です。いずれも「実質的に公衆へ提供したと評価できる場合」は対象に戻ります。名目ではなく実態で判断します。
- 業界特化でも対象になり得ます。特定業界向けに作ったサービスでも、限られた提供者だけに出す形になっていなければ対象で、その場合に対応が求められるのは汎用部分に自社が付加した部分に限られます。
- 研究・開発だけを行っている者は対象外です。公衆への提供が始まった時点で対象になります。
- 日本国内に本店がなくても対象です。日本向けに提供されていれば(日本国民が利用できる場合を含む)適用されます。
届出後に効いてくること
- 一覧は「開示を求める窓口」の索引になります。原則2は、著作物について訴訟・調停・ADRなどの法的手続を現に行っている(または準備している)者とその代理人が、学習データに対象URLが含まれるかを求める枠組みです。原則3は、生成AIで生成物を作った者が、同一または類似のコンテンツが学習データに含まれるかを求める枠組みです。一覧にアドレスが載ると、要求の宛先が外から分かるようになります。
- 請求が通る条件は決まっています。原則2は①要求者が該当する理由 ②回答の利用目的の明示と目的外に使わない旨の誓約 ③対象URLと、それを求める理由となる事由の特定、の3つを満たす必要があります。原則3は①生成物と生成時のプロンプトの提示 ②利用目的の明示と、訴訟・調停・ADRへの利用をしない旨の誓約 ③対象情報と理由の特定です。要求側・応答側のどちらでも、この3点を揃えているかが実務の分かれ目になります。
- 濫用的な要求への防御は認められています。手数料や回数の制限を設けることは考えられると書かれています。ただし開示を諦めさせるような制限は不適切とされ、対応方針をあらかじめ公表しておくことが望ましいとされています。
- 「体制ができていない」だけではエクスプレインにならない: 体制構築が終わる時期を、事業規模を踏まえて説明する必要があります。技術的に不可能な場合は根拠を示せばエクスプレインとして扱われます。
- 別の法的手続を排除しません。コードは当事者照会(民事訴訟法163条)や文書提出命令の申立て(同221条)を制限しないと明記しています。訴訟・差止めの代わりにはなりません。現在係属している訴訟は生成AI 著作権訴訟 一覧で追っています。
よくある疑問
- 届出は義務ですか? 義務ではありません。コード本文に「法的拘束力を有する規範ではない」と書かれています。受け入れる事業者に公表と届出を「期待する」形です。
- 出さないと罰則はありますか? ありません。罰則を定める法令ではなく、コンプライ・オア・エクスプレイン(実施するか、実施しない理由を説明するか)の枠組みです。
- 一覧に載ると何が変わりますか? 外部から「この事業者はコードを受け入れている」と分かり、原則2・3の開示請求の宛先が分かります。審査や認定ではないので、品質や法令遵守のお墨付きではありません。
- 委託でモデル開発の一部だけを請けている場合は? 原則として対象外です。ただし自社名で公衆に提供している実態があれば対象になります。
- 社内だけで使うチャットボットは? 自社データだけを使い、グループ内だけで使うなら原則として対象外です。顧客にも提供しているなら対象になり得ます。
- 外国法人でも届出は必要ですか? 日本向けに提供していればコードの適用を受けます。届出は任意ですが、日本市場向けに受入れを表明する意味はあります。
- 何を書けばいいか分かりません。 まず概要開示対象事項の具体例を雛形として使い、書けない項目は理由を添えてエクスプレインにします。
経緯新しい順 ・ 5件
- 最新届出の受付開始。特設ページに提出先メールアドレス・件名・様式(PDF/Word)が掲載されているのを確認。同日 00:20 と 04:25 の2回、届出事業者一覧は0件。
- AI法研究会が「生成AIプリンシプル・コードの対応の手引き」を公開(有志弁護士による個人的見解)。
- 届出の開始日と届出様式が公表される。
- 知的財産戦略本部が「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」を公表。特設ページ
- AI時代の知的財産権検討会(第13回)で、パブリックコメントを踏まえた修正版(案)が示される。
未確認
- 一覧の更新頻度、届出から掲載までの日数(注記は「お時間をいただく場合があります」のみ)。
- 第1号の掲載時期と、実際に届け出た事業者名。
- 事務局が作成を予定しているとされるFAQの公表状況(2026-10-26 時点で特設ページに掲載を確認できていません)。
- 原則2・原則3の開示請求に使う統一フォームの有無(コード本文は様式を定めていません)。
- 届出メールに対する受領連絡の有無。
- 提出後に記載内容の修正・撤回をする手続き。
一次資料
- 内閣府「プリンシプル・コードの策定及び届出」 — 受付開始日、提出先メールアドレス、件名、PDF形式での提出、自社HP開示が難しい場合の扱い(2026-10-26 04:25 確認)
- 内閣府「届出事業者一覧」 — 5列の構成、備考の用途、掲載まで時間がかかる場合がある旨、連絡先。0件(2026-10-26 04:25 確認)
- 内閣府「届出様式」(PDF) — 記入項目5つ、公表されるのは事業者名とアドレスのみ、掲載前の確認(Word版)
- 内閣府「プリンシプル・コード」本文(日本語版PDF) — 対象の定義と対象外の類型、1(4)の公表・届出・毎年見直し、原則1の概要開示対象事項、原則2・原則3の要件(2026-10-26 04:30 取得・全文確認)
- 内閣府「概要開示対象事項 具体例」(PDF) — 記載の粒度の例、エクスプレインする場合の例(2026-10-26 04:30 取得)
- AI法研究会「対応の手引き」の公表(CODE) — 2026-10-05 公開。記載例20件を含む(有料記事のため本文は未確認)